敵の力とぶつからない、とはどういうことか。よく、女性向けの護身術で、そのようなキャッチフレーズを目にする。しかし、具体的なことは書いてない。難しいことは何もない。気功も、発勁も、神秘的な感じの身体操作もいらない。敵の攻撃に対して、後ろに下がることだ。下がりながら攻撃をすることだ。一緒に下がっていきながら、方向を少し変え、その転身によって生じた角度を利用して、去り打ちをすることだ。この術理は、八卦刀術の主要中の主要刀術たる、按刀(あんとう)術理の「外按(がいあん)」をもとにしている。八卦掌は、小柄な藤牌兵の戦場刀術がもとになっていることは、以前の「八卦掌を語る」で触れた。読んでない者は、読んでおくように。※「八卦掌を語る」では、富山の天才に向けて特別に八卦掌の本質を語っている。大切なことばかりであるため、よくわからなくても必ず読んでおくこと。本投稿の添付画像を見て欲しい。口で言ってもよくわからないため、図で説明した。敵はおおよそ、我が屈強であると、突進して攻撃してくるものである。その時、一切の迷いもなく後ろに下がる。※敵が脅して来たら、自分から後方へ移動するのがベストである。下がると、敵も追撃してくる。「待てよ、コラ!」など、今まで何度も言われたが、一切無視して下がる。八卦掌の身法をしっかりと身につけていれば、敵の攻撃手が当たりそうなった時、「身体仮入れ→肩入れ」の順序で敵攻撃ベクトルを外に払いながら、敵が払われた方向の反対側へと移動できる。闘牛士の身法に似ている。しかしそれだけでは防ぐことができないとき、手を出して攻撃する。この攻撃時、自分は敵に身体を向けてはいけない。構わず前に進みながら、手を後方へ押しのけるようにして、斜め後方へと攻撃するのだ。後方へと身体を向けないで後方へ攻撃するのだから、肩は開いた状態となる。添付のイラストを見て欲しい。彼女の攻撃手の肩は完全に開き切っている。八卦掌は、敵の前にとどまらないため、この状態が許されるのだ。敵の攻撃を払うだけかもしれない。いや、敵の足を少しだけ止めることだけかもしれない。でも、清朝末式八卦掌では、これを「成功」とする。敵の力とぶつからず、後方へ下がりながら、敵の攻撃を払い、もしくは足を止めることで、その時の攻撃に対し生存ができたのである。試しに、屈強な男性や、圧倒的に強い道場の先輩に、真っ向からぶつかってみたまえ。一瞬で倒される。一瞬で攻撃不能となる。一瞬で、弾き飛ばされるだろう。それは、技術・体格・体重が上の相手の力のベクトルに、前向きにぶつかっているからだ。いくら斜めに入ろうと、我が前に進むベクトルに、敵の向かってくる力のベクトルが幾分か加わるのである。後方へ移動すれば、攻撃到達時間が長くなる。我にかかる力が、少なくなる。単純な話である。勁や気功が必要ないのが分かるだろう。後退スライドは、簡単ではない。それは、技術が高度だからではない。だれでもできる。開き直って、後ろの下がることができるかどうかだ。攻撃をして相手の倒す。そのことに対する未練を断つことができるかどうかだ。八卦掌水式門の掌継人は、女性が多い。彼女らは、攻撃に対する未練がなかったから、ためらわず後退スライド撤退戦の対敵身法を習得できたのだ。男性は・・・・間もなく未練に勝てず、前に出る。門を去る。実はここが、最も難しいのかもしれない。八卦掌水式門 北陸富山本科| http://nenkinkouza.com/baguazhang-class-toyama/index.html遠隔地生部 清朝末式八卦掌代継門人科| http://nenkinkouza.com/tuushinkouza/tuushin-daikeimonjin.html遠隔地生部 護身術通信講座科| http://nenkinkouza.com/tuushinkouza/tuushin-defense.html
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